???エンジン復活計画/本編
photo1て、シリンダーヘッドです。これらはヘッド内部の部品です。ロッカーアームは毎度の事ながらピカピカですね。当時これを真似て、手当たり次第にロッカーアームを磨きまくっていた時もありました。部品は全てオリジナルですが、ボールベアリング等の消耗品は現行の新品の交換します。ちょっと見難いですが、カムホルダーの上からカムにオイルが供給されるようにオイルラインの取り付けが後から追加工されています。この方式も当時の定番ですね。みんな真似していました。
ムシャフトです。TT2純正はご覧のようにPという刻印が入っています。私たちはPカムと呼んでいました。Oという刻印が入っているのがOrizzontale、つまりホリゾンタル側、Vの刻印がVerticale、つまりバーチカル側です。
カムは社外品を含めいろいろな刻印で識別されていました。NCR7というような刻印なら判りやすいのですが、その他にもいろいろなメーカーからいろいろな刻印の物が発売されており、プロフィールが同じなのにメーカーによって刻印が違ったりして、判り難いことこの上ありません。
み上げが終了したヘッドです。バルブガイドは今まで新車時からのオリジナルで通してきましたが、さすがに今回は打ち替えました。バルブステムとのクリアランスが過大になっていたからです。
しかし古いガイドを抜いてみて新しい発見がありました。入っていたガイドは明らかに一回抜いて、同じ物を再び入れ直した痕跡が見られるのです。それも4本共です。
この事から、ノーマルのヘッドを生産ラインから抜いて持って来て、一度ガイドを抜
いてポーティングを行い、その後同じガイドを再び打ち込んだという作業工程が見て
取れます。おかげでガイドとヘッドの嵌合しろはちょっと緩めでした。新しく入れた
ガイドはそのあたりも吟味して適正な嵌めあいになるように作業を施しました。
ッドの燃焼室側からの眺めですが、3個の穴のうち、一番右の穴に注目してください。これは本来オイルラインになっている穴で、オイル通路が設けられたブッシュが嵌り、その回りがオーリングでシールされます。この穴を通ったオイルがカムシャフトを潤滑する仕組みです。
しかしTT2の場合、オイルラインはヘッドのカムホルダーへ直接取り付けられています。ですからヘッド内部のオイルラインは既に不要。このオイルラインが通じていると返って面倒な事になります。という訳で、TT2のヘッドのオイルラインは画像のように最初から塞がれています。何か専用のプラグを打ち込んであるようにも見えますし、鋳型のうちから穴が塞いであるようにも見えますが、実際のところはよく判り
ません。
ノーマルヘッド改でこうしたオイルラインに対応させる場合、当時我々は穴の開いていないブッシュを作ってオイル通路を塞ぐ事が多かったように記憶しています。
みあがったエンジンです。セルモーターも当時物です。
正常に動作するかどうかが不安だったのですが、通電したところ問題なく元気良く回ったので安心しました。
タイミングプーリーは元々プラスチック製だったのですが、バルタイを取るために何度か取り外しをしていたところ、経年変化で材質が劣化していたのでしょうか、割れてしまいました。という訳で、プラスチック製を使用することは危険と判断し、比較的新しいアルミ製の部品を使用しました。
このエンジンはオイルラインの取り回しが特殊です。オイルポンプから吐出されたオイルの一部はセルモーターの横に有る出口(青い栓がしてある)から出てオイルホースを通って二股に別れ、前後のヘッドへ送られます。一方クランクシャフトへ送られるオイルは通常クラッチカバーの中を通ってクランクシャフトの右端から供給されますが、TT2の場合、クラッチカバーへ入ったオイルは一旦外へ出ます。その出口がオイルレベル窓の後ろに有る(青いゴム栓がしてある)穴です。ここから出たオイルはホースでオイルクーラーへ送られ、そこで冷やされて戻って来たオイルがクランクシャフト右端に直接供給されます。クランク右端延長上の位置に有る穴(青い栓がしてある)がクランクへオイルが供給される穴です。そして、クラッチカバー内で本来通じているオイルラインは意図的に塞いであります。ここが通じているとオイルがオイルクーラーに送られませんからね。
ちらは組みあがったエンジンの反対側からの眺めです。シンプルで美しいと思います。
結局このエンジンは殆どオリジナルの状態に戻す事が出来たと自負しています。
オリジナルではない部品、部分は下記の通りです。

クランクケース 
これは当時割れてしまったので、前述のように82年型600SLの部品を使いました。
ミッション 
手持ちの当時物、NCR製クロスミッションを組み込みました。純正のノーマルよりこちらの方が付加価値高いと判断しました。ただし本来NCR製クロスミッションはNCR製乾式クラッチと組み合わせて使用するように出来ているため、それをTT2純正のクラッチに組み合わせるための最小限のモディファイは施してあります。
ベアリング、オイルシール、タイミングベルト、オーリング等の消耗品
これらは現行の部品を使用しました。それらは全て新品に交換されています。
コンロッドハーフベアリング
現行の部品を使用しました。
コンロッドボルト
現行の部品を使用しました。
ピックアップセンサー
前述の通り、比較的新しい年代の部品を使用しました。
バルブガイド
現在使われている中で最善と思われる材料を用いて製作したものに交換しました。
・クランクケース左右の合わせに本来仕様されていた紙の
ガスケットは使用せず、
シリコンガスケットを用いて組み上げました。

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