???エンジン復活計画/本編
photo1ランクケース内部に納まる部品を、片側のケースに仮組みしたところです。
この画像で確認できるリアバンクのコンロッドには0.042の数字があります。こちら側のメタルクリアランスは0.042mmということですね。つまりこのエンジンの場合、メタルクリアランスは0.040mmと0.042mmということです。このくらいのバラつきに揃えて組むのがTFD流です。
クランクシャフトとミッションメインシャフトのちょうど中間の奥に見えるのがオイルラインのリリーフバルブです。ドゥカティのエンジンの場合、1997年モデルからリリーフバルブはオイルポンプに組み込まれる形式になっていますが、この時代はこの様にまだクランクケースの合わせ面に位置しています。でも2000年代になっても、エンジンによってはクランクケースにこの機構の名残が残っているモデルもあります。
また、この時代はクランクケース左右の合わせ面に紙製のガスケットが使用されていました。しかし今回はそれ無しで、シリコンガスケットを使用して組み立てます。勿論クランクケース内部の各部品はガスケット無しの寸法に合わせて左右方向の位置決め、シミングを施されていることは言うまでもありません。
1次減速ギアの大きいほう、つまりクラッチ側です。湿式クラッチです。1次減速ギアにクラッチハウジングがリベット止めでカシメて取り付けられています。結果として一体式の部品になり、クラッチハウジングが段減りして交換する必要が発生した時、丸ごと全部を交換しなければならないので不経済ですね。でも湿式クラッチはオイルで潤滑されているのでオイルが緩衝材となり、ハウジングが減り難いことも事実です。
軽量化のための肉抜き穴の配置が格好良いです。
イルポンプです。ギアの仕上げがこの上なく格好良いです。軽量化された後に磨いてバフ掛けが施され、このヌメッとしたギアの質感がたまりません。現行フラッグシップモデルのギアもこんな感じに軽量化されていますが、仕上げの質感はやはり無機質な大量生産のそれで、発するオーラがちょっと違います。
現行モデルはギアとシャフトの取り付け方法が、キーとサークリップを用いたフローティング方式になっていますが、この時代のそれは画像のようにナットでシャフトに締結されています。
イミングギアのペアです。こちらも磨かれていますね。この時代の磨きの特徴として、ギアの歯面までちゃんと磨いてあるという事が言えます。当時はギアの歯面が荒れたりする事が多かったのでしょうか?材料、熱処理、機械加工の精度、オイルの性能、いろいろな要素が現在と比べると発展途上だったということでしょう。
ライホイールを取り付けるフランジで、左がノーマル、右がTT2のものです。左のノーマルを削って右のように造るわけですね。当時はノーマル部品を加工してこのようなレース部品を製作する事が一般的だった様に思います。
当時の有名ショップはこぞってこの部品を真似て軽量フライホイールを作っていましたね。
右の本物はメーカーで機械加工を施した後に熱処理されていますので、表面の質感が
ノーマルと同じです。ノーマルを後から加工した物では、機械加工した面が金属の地
肌の色になってしまうので判別できます。
ライホイールとフランジを組み立てた状態で、左がTT2、右がノーマルです。フライホイールに施された軽量肉抜きの穴加工が良いですね。TT2の本物のフライホイールは、画像で見える側(エンジンに取り付けると奥側になります)が中心から外側に向かってテーパー状に削られているのが特徴です。外側へ行くほど肉が薄くなるようになっているわけですね。
フライホイールも、当時はこれを見本として製作されたものが沢山出回りました。

back | next