???エンジン復活計画/本編
photo1ちらはミッションシャフトです。スプロケットが付くシャフトの部分ですが、左側がノーマルのミッション、右側がNCR製クロスミッションです。
TT2純正はノーマルのミッションですが、今回はせっかくですからNCR製クロスミッションを組み込みます。画像を見ても判るように、NCR製クロスミッションはシャフトの長さがノーマルより10mm長く製作してあります。
ノーマルミッションのシャフト長だと、タイヤにチェーンが干渉するのを避けるために大きくオフセットされたスプロケットを使用せざるを得ず、その結果シャフトをダメにしてしまうといったトラブルが当時多発していました。その対策としてこの様に製作された訳ですが、こうした部品を製作していたことからも、当時のNCRというのは本当にドゥカティ社のレース部門の位置付けだったことが理解できます。
ウンターシャフト(スプロケットが付くシャフト)を分解点検している様子です。 ドッグが3個のタイプです。
ドッグの角は逆テーパーにカットされていますから、ギア抜けはし難かったですね。この頃はまだブロンズのブッシュを使用しています。この後ブッシュの替わりにニードルベアリングを使用するようになります。80年代後半には既にニードルベアリングを使用するのが普通になっていましたから、そうした点でドゥカテイは国産車に比べて進んでいたと言えるのではないでしょうか。
そういえばパンタエンジンのデビューは70年代の終わり頃だったと思いますが、その時からシリンダーライナーはシリンダーと一体式のニカシルメッキされたアルミ製シリンダーでした。進んでいましたね。
ちらはメインシャフト(クラッチが付くシャフト)です。現在の物と比べると部品点数が少なく、いたってシンプルな印象を受けます。ちなみにノーマルミッションとNCR製クロスミッションのギア比は下記の通りです。
ノーマル:1速16x40  2.5
     2速21x36  1.71
     3速24x32  1.33
     4速27x29  1.07
     5速29x28  0.97
NCR  :1速17x33  1.94
     2速22x33  1.5
     3速25x31  1.24
     4速27x29  1.07
     5速25x24  0.96
みあがったミッション関係の部品です。
赤っぽく見えるのはアッセンブルグリスです。既に一度クランクケースに組み込んで、左右の位置決めを行っています。シムを使って行うこの作業、縦割りクランクケースのドゥカティ独特の作業ですが、納得が行くまで行うのはなかなか大変な作業です。
最初の通り、元通りに組めば問題ないでしょ、なんて言うメカニックが最近多いように(昔から?)思いますが、そんなメカは、新品部品からエンジンを組み上げる事が出来ないって事ですよね。
シフトドラムのニュートラル位置を決める部品は現在ボールですが、この頃の物はそうではなく独特な形状をしていますね。シフトフォークも今となっては見慣れない形状です。タイミングシャフトも左右に位置決め用のシムが入ります。
ンロッドです。やはり小端部分の軽量化のための機械加工が特徴的です。当時このコンロッドを見本にノーマルのコンロッドを磨いて、同じような物を沢山造った覚えがあります。でもこの小端部の加工は当時の自分では出来なかったですね。今ならなんてことない作業ですが。
大端部の合わせ面に見えるコンロッド識別の数字が格好良いです。手書きです。やっぱり誰が書いたんだろう、どんなレースメカが、などと考えてしまいますよね。
ランクシャフトとコンロッドを組み付けた様子です。ハーフメタルは現行の部品を使用しました。また、コンロッドボルトも同様です。このあたりの部品は完全に消耗品なので、当時モノの新品があればそれに越したことはないですが、今となってはそれもまず叶いません。性能的に優れた現行品を使うのが現実的だと思います。
奥側のコンロッド(フロントバンクになります)にマーカーで書いてある0.040という数字は、メタルクリアランスの実測値です。

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